玉能回路

週刊「玉能回路」は毎週水曜日更新です。


トラウマ

  1. 2014/07/09(水) 09:00:00|
  2. 週刊「玉能回路」
  3. | コメント:1
 仙台市動物管理センターに保護されているオドオド犬や噛みつき犬がそもそもそうならざるをえなかった原因、遠因を探り、彼らの恐怖心をいかにやわらげようか頭を悩ませていたつい数日前、なんと我が愛犬ハンナに恐怖体験が降りかかかった。

 梅雨の晴れ間、機嫌よく朝の散歩に出かけた数分後、目の前に飛び出してきたのは牙をむき出し唸りながら吠えるトイプードルだった。いつもは閉まっているそのお宅の玄関は開けられたままであり、勿論リードも何もない。幸い犬と犬との間に入り込み、リードを短く持って愛犬を庇った家人のおかげで、衝突は避けられたものの、襲われた経験は深くハンナの心を傷付けたらしい。

トラウマ_01 翌朝から散歩行きません、と頑なな意思表示。裏門から数メートルのところで用を足し、さっさと家に駆けこむのである。なだめても、励ましても、踏ん張る踏ん張る、ついには寝技まで駆使して、家から離れようとしないのである。

 あんな小さな犬に吠えられたくらいで情けないと思うのだが、ハンナを擁護する獣医師によれば、子犬は怖いからこっち来ないで!と叫び、心やさしいハンナは道を譲ったのだと言う。それはなんとも麗しいお話だが、大好きだった小学校の校庭はミニピンシャーの飼い主にシッシッと追われてから行けなくなったし、車の通らない絶好の裏道も柴犬に唸られてから通れなくなった。残された唯一の散歩道での恐怖体験である。早いうちに克服しなければ、もうどこにも出かけられない運動不足犬になってしまう。

 家人がリードを持つ。ハンナを挟んで私が付き添う。歩みが遅くなりかけた時、ちょっと小首をかしげた時、大丈夫、大丈夫、偉いねぇ、すごいねぇと声をかける。そして件の家が近づくころにはミッキーマウスマーチの替え歌、ハンナマーチを歌ってタンタン手拍子をしながら歩く。その光景だけでも十分に異様だ。そしてクライマックス、ハンナがへっぴり腰、猛ダッシュでその家の前を通り過ぎた時には拍手の嵐、天才天才と褒めまくる。早朝とはいえ、決して人に見られたくない姿である。




 安心安全の家に帰り着き、大の字になって二度寝のハンナは寅野馬子だの、内野弁慶などとからかわれるが、この先、汚名返上、いやトラウマ克服までにはどれくらい時間がかかるのだろう。愛言葉は「焦らずゆっくり一歩ずつ」ハンナもセンターの犬たちも。


トラウマ_02




























<<そら2号 | BLOG TOP | 梅しごと>>

comment

  1. 2014/07/10(木) 13:19:14 |
  2. URL |
  3. yukari
  4. [ 編集 ]
心優しいハンナちゃん、きっとあなたのことは、チーム富士丸のみんなが見守っていますよ。

玉能さんの「ハンナマーチ」、聞いてみたいです。^^

私のウチのお空に返ったタローを励ます時には、「ウルトラマンタロー」を替え歌で歌ってましたよ。

 管理者にだけ表示を許可する