玉能回路

週刊「玉能回路」は毎週水曜日更新です。


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灰色の男

  1. 2014/03/26(水) 09:00:00|
  2. 週刊「玉能回路」
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 ミヒャエル・エンデのファンタジー小説「モモ」(Momo)は今も子供たちに読まれているのだろうか?ベストセラーとなったかつてのように、大人にも読まれているのだろうか。

 あらすじはこうだ。とある街に現れた「時間貯蓄銀行」の灰色の男たち。彼らは人々から時間を盗み取り、人々の心は余裕を失っていく。しかし、少女モモは、友人達の話に耳を傾け、人々にその人らしさを気づかせることで、やがて、失われた時間を取り戻させる。その少女モモの冒険の物語は、忙しさの中で生きる事の意味を忘れてしまった現代人への警鐘とも受け止められたし、あるいは「時間」をお金に変換し、利子が利子を生む現代の経済システムそのものへ、疑問を投げかけたともいわれている。

灰色の男_01 解釈はともかく、モモを思い出したのは、昨日今日の急な気温変化だ。初夏のような陽射しで室温はぐんぐん上がる。まだ冬毛の我が愛犬ははぁはぁと喘ぎ、庭に出ては冷たい、涼しい所を探しまわる。が、からっ風の仙台、強風に巻き上げられる砂埃で外にもいられないらしい。しかも今日は花粉のあたり日とか、いっちょ前に花粉症の犬は、猫が顔を洗う時のように、目のあたりをかきむしる。ベランダのドアの前で、開けてくれ!出してくれ!入れてくれ!また開けろ!と一日中ヒャンヒャン、鳴き続け、私は愛犬の召使のようにドア係りをした。

 仕事も料理も中断される。はいはい。まってねぇ。と返事をしながらモモを思い出していた。どんな人にも平等にしか与えられない一日24時間。人より随分短い寿命の犬の時間。亡くなった母のように、残り少なかった時間。しょっちゅう予定が狂ってやり残しが増えて行く私の一日。はいはい。待ってねぇ。と言ったところで、時間は犬のように待ってはくれない。

 もう一度モモを読んでみたいと思った。オレンジ色の表紙も挿絵も思い出せるのだが、引っ越しが災いしてどこに片付けたやら、探すだけでまた、時間を取られてしまう。それなら買いに行こうかと車を走らせたが、増税前の駆け込み需要の影響で道はどこも大渋滞だ。加えて忙しい年度末、どこかに招かれざる客「灰色の男」が増殖していないだろうか。もしもいるなら、会ってとことん話がしてみたいものだ。

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感謝の日

  1. 2014/03/19(水) 09:00:00|
  2. 週刊「玉能回路」
  3. | コメント:1
 2014年3月16日。晴れたり、突然空が暗くなったり。雨がガラス窓を叩くほどだったり、そしてまた晴れたり。不思議なお天気の午後、仙台市動物管理センターでは譲渡会が開かれ、それに続く形で、被災動物追悼と感謝の会が執り行われた。

 司会進行役の私は、3年目のいわば節目の年に、何を皆さんにお話ししようかと、あれこれ迷っていた。悲しみは変わらない。むしろ日を追うごとに深くなるとさえ思う。けれども悲しいだけの慰霊祭にはしたくない。センターの職員も獣医師もボランティアも、悲しみの向こうのどこかに、小さくてもいい、一つでもいい希望が見つけられたらと、願っていた。

 祭壇にお供えするおやつやフードも運び込み、献花も、チェロによる献奏の曲も決め、あとは司会原稿だけという日になって、こんな手紙が届けられた。


 「慰霊祭で帰って来てくれたワンちゃんニャンちゃん達、沢山のごちそうを前にきっととても喜んでくれることでしょう!お供えしたあとは、こちらの子がお空のみんなのパワーが加わったご飯をいっぱい食べて元気倍増!良いご縁に結びつきますように。」そうだ、この事を話そう、お空の子たちがパワーを送ってくれているのだとお話しようと思った。手紙は段ボールに幾箱ものフードやおやつ、おもちゃや虫よけスプレー。病気の子のためのサプリ等と共に届けられた。震災から今日まで、20数回にも及ぶ息長い支援を続けてくれているゴールデンレトリバー専門店のオーナー様からの贈り物だ。

 慰霊祭のクライマックス。被災犬を譲渡会で引き取り大切に育ててくれている二組のご家族が、犬と共にマイクの前に立って下さった。怖れと不安と、飼い主とはぐれた悲しみで、絶望のどん底にいた2頭の犬は、艶ピカ幸せ顔の家庭犬になっていた。

 津波に襲われ、無念の死、突然の別れを余儀なくされた多くの犬猫たちが、お空の上で、新しい飼い主さんに、泥を落としてもらい、心の傷も癒してもらい、この譲渡犬のように艶ピカ幸せ顔でいる姿を想像していただきたかったのだ。もちろん、お空のあの子たちに、「ずっとずっと君のことは忘れない」と誓いの言葉も言わせていただいた。仙台市立八軒中学校、合唱部員の歌う 『あすという日が』 が会場に流れる。お空の子も、こちらの子も、飼い主である私たちも、幸せを信じる・・・震災4年目が始まった。




鎮魂の日

  1. 2014/03/12(水) 09:00:00|
  2. 週刊「玉能回路」
  3. | コメント:1
鎮魂の日_3077いつもなら我が家から15分とかからずにたどり着く荒浜海岸。

その海岸に立つ慰霊碑を目指す人と車が長蛇の列となった。

車窓から見える景色は、震災後と何も変わらない。


















鎮魂の海。祈りの海。鎮魂の日_3078






















鎮魂の日_3079いつまでこのままなのだろう。

ここは荒野でもなければ、戦場でもない。

我が家からすぐのところ。


















海に背を向けて陸(おか)の空を見る。鎮魂の日_3080

海の空は遠いのに、陸(おか)の空はこんなに近い。

あの松の向こうが君のいた厩舎。

溢れる思いで、胸がつぶれそうだ。
















鎮魂の日_3086空ばかり見ていたからだろうか、HOPEと書かれた風船を手渡された。





















鎮魂の日_3092荒浜小学校の校庭から舞い上がる風船。

あぁ津波が来た時間なのだ。

ロン!ロンメルシチィ!君への風船も飛ばしたよ。



生かされた自分に出来る事はなんだろう。

深い人になりたいと思う。













大人買い

  1. 2014/03/05(水) 09:00:00|
  2. 週刊「玉能回路」
  3. | コメント:1
 今日は動物管理センターで、16日に行われる被災動物慰霊と感謝の会の打ち合わせをした。災害公営住宅は、まだ建築が始まらず、仮設で4年目を迎えるわんにゃん達。様々な事情から、センター暮らしになった老犬、老猫たち。みんなに幸せが来るのはあとどれくらい先だろう。犬も猫も決して長くない寿命を思えば胸が痛む。

 せめてご飯くらい。たまにはおやつも奮発したいと思い、増税前の駆け込みで、仔猫ミルク、パウチやカリカリ、缶詰やジャーキーも箱買い、まとめ買いをした。合算で二十万円を超える。被災犬猫支援「チーム富士丸仙台窓口」の大人買いである。

大人買い_01 今日はとどめ、なかなか譲渡が決まらない、センターの成猫のために、上下運動の出来る大型ケージも買ってお届けした。たった一台だが、交替で利用することになるらしい。ボランティアさんも職員も獣医師も根気よく根気よく気持ちを通わせ、「シャァシャァ猫」を「喉ゴロゴロ猫」にまでしたのに、ストレスで自傷猫になったのではあまりに不憫だ。みんな3段ハウスで遊ぶんだぞと声をかけた。チーム富士丸の基金のお陰である。

 去年の3月も、全国の丸友の皆さんから、沢山の物資と支援金を頂き、そのお陰で何頭、何十頭、何百頭もの犬や猫が助けられた。出来るだけ広範囲に、出来るだけ公平に、無駄なく大切にお金を使うことを心がけた。ただ一つ申し訳なかったのは、その都度その都度、細かく報告をさせていただこうと思っていたにも関わらず、母親の介護やその後の容体の変化や、葬儀で、物資を届けるので精一杯、状況報告も会計報告も充分にできなかったことだ。

 そうそうもうひとつまとめ買いをしたものがある。ハーブだ。数種類の薬効ハーブを粉末にして、噛み犬や術後の犬猫のごはんに添加する。化学薬品のような即効性はないが、皮膚炎が改善したり、噛み犬が穏やかになってきている。

 後ろ足の怪我で歩けなかった子が、お座りをするまでに回復をした。寒空で4頭保護された赤ちゃん猫は1頭しか助からなかったが、日に日に美人街道まっしぐらだ。丸友の皆さんからは何時でも声をかけてね、と言っていただける。家わんの誕生日だから「幸せのおすそわけ」と、ジャーキーが届いたりする。箱買いの食料を大事に振り分ける事も勿論だが、温かいチーム富士丸の心も大切に大切にしたいと思う。細く長く。



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