玉能回路

週刊「玉能回路」は毎週水曜日更新です。


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支援活動(仔猫と成犬の譲渡会)

  1. 2013/05/29(水) 09:00:00|
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  3. | コメント:1
 仙台市動物管理センターで、今季第一回目の仔猫譲渡会が開かれた先の日曜日、お手伝いに行けなかった出先の私の携帯に一通のメイルが届いた。哺乳ボランティア福ちゃんの家からだ。譲渡会はまだ始まったばかり、何かあったのだろうかと不安がよぎる。そんな私の目に入ったのは、「我が家のチビ達4頭は新しい家族が決まりました。ご支援ありがとうございました。取り急ぎご報告まで」という短いメイルだ。

支援活動(仔猫と成犬の譲渡会)_214



支援活動(仔猫と成犬の譲渡会)_061 譲渡会の日のあわただしさを知る私は、こんな日のこんな早い時間に、御礼と報告のメイルを貰ったことに驚いた。貰い手が見つかったとは言え、それぞれのご家族に仔猫のこれまでの状況や性格をお話したり、個体ごとに違う飼養のポイントや注意点を説明するだけでも一仕事だというのに、私たち「チーム富士丸」に真っ先にお知らせを下さったのだ。仔猫が貰われた喜びと同時に、チーム富士丸の支援がお役にたち、哺乳ボラさんがチームみんなの気持ちを大切に受け止めて下さっている事に報われる思いがした。

 今回の譲渡会は告知の工夫や関係者の情報宣伝にかける熱意、応援して下さる方々の力もあって、驚くほどの人出となったそうだ。仔猫ももちろんだが、老犬を含む13頭の犬も譲渡先が決まった。強面ながら笑うのが得意なシェパードのミックス犬アレックスも、もちろん引き取り手が決まった。パルボから生還したグリコとグリオも足の傷害や片目の不自由さを判ったうえで、飼い主になってくれる人が現れた。ありがとうメイルに添付された写真をみて、胸が熱くなった。愛らしい姿を沢山見せてくれた白黒ぶち兄弟もいいご縁に恵まれたと聞いた。

  
  
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 仔猫たちはどんな名前をつけられたのだろう。あたらしいお家の探検は終わっただろうか。兄弟と離れ、愛情を注いでくれた保父猫、親代わりになってくれたお兄ちゃん犬との別れの寂しさを乗り越えられただろうか。そんなことを思う間もなく、お兄ちゃん犬、福ちゃんのところには、第二陣、今度はマシュマロのような白猫兄弟がやって来た。がんばれにゃんず。よろしく福ちゃん。

支援活動(仔猫と成犬の譲渡会)_202  支援活動(仔猫と成犬の譲渡会)_186

 チーム富士丸の皆さんからお預かりした物資の大半は動物管理センター経由で多くのボラさんに公平に分配されるが、一部ストックは緊急対応で仔猫のもとに直送する。その箱の中に、保父さん用としてハンナのおやつをお福分けしたり、仔猫に似合いそうな柄のタオルやおもちゃを見つくろうのも、仙台窓口の楽しみの一つである。

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カケメシ

  1. 2013/05/22(水) 09:00:00|
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 毎日お弁当を作るようになって間もなく一年になる。引っ越し荷物が落ちつきはじめた数ヶ月前からは、お仏壇に御膳もあげるようになった。こうなると朝の忙しさは大変なものである。2つのIHヒーターと電子レンジを巧みに使い、小鍋とフライパンと卵焼き、魚焼きグリルに目を配る。それに加えて腹っぺらし愛犬のご飯支度も同時進行だ。お玉や菜箸、フライ返しやスプーンを持ち替える手は、マジシャン並みだと自画自賛。時計がわりのニュースを聴きながら、色どりと栄養バランス、そして丁度の分量も外せない絶対条件だ。

 朝ごはんの支度だけで済んでいた時は、のんびり味噌汁のだしをとり、野菜の煮びたしを盛り付けながら干物を焼く。時々気になるニュースでテレビの前に立っても、新聞の大見出しを眺めても、充分に余裕があって、魚を焦がすことも、味噌汁が煮詰まってしまうこともない。が、4つ同時進行となれば、毎朝かなりスリリング、時にはサザエさんを地で行くことになる。

 失敗と学習が、鍋一つで出来る「かけご飯」にたどり着かせてくれた。前の晩煮込んで置く牛丼。全て炒めるばかりに用意した常家豆腐。大量の玉ねぎをくりぬいて肉をつめ、ことこと煮込んで冷凍。夜のうちに必要な分だけ冷蔵庫に戻しておけばこれも立派なかけご飯。トースターだサラダだオムレツだと準備に忙しいパン食は土日限定にして、とにかくかけご飯。カレーもシチューも天丼もひつまぶしも、全て朝ごはんメニューにした。


 と、ここまで書いて動物管理センターに保護された犬の事を思いだした。どの犬もと言っていいほど、捕獲されて数日、犬はご飯を口にしない。ご飯を食べない犬など想像もつかなかったが、どの子もてんこ盛りのご飯がいつまでも残っている。ドライフードの上に汁けのある缶詰が乗せられ、さらにジャーキーやビスケットまでがトッピングされるが、ほぼ数日、彼らがセンターを住処として納得するまで食べてはくれず、かけご飯の豪華さはエスカレートする。
そうそう仔猫たちはすくすく育ち、離乳食からふやかしたドライフードになり、そろそろカリカリにパウチを混ぜる、こちらもかけご飯だ。

 サラメシならぬカケメシにはイキモノを元気にするパワーがあるのかもしれない。少しのんびりの土日。我が家はご先祖様もパン食である。

20130522_カケメシ4


頭の体操

  1. 2013/05/15(水) 09:00:00|
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  3. | コメント:0
 「名前を思い出せない」と、感じる事が多くなった。映画の題名や俳優の名前がすっと出てこないのは、これまでもあったが、興味関心の度合いや、自分にとっての重要度を考えれば、さほど不自由もなく問題でもない。ところがこの頃、顔も付帯状況も全てわかっているのに、名前が出てこなかったり、愛称は判るのに、はて名字はと、しばらく考え込んだりする。

 忙しかったことも遠因のひとつだろう。震災のあと、引っ越しや家の解体、後片付け、新築のあれこれ、仕事らしい仕事もせず、文章も書かず、ひたすら日々の雑事に追われて一日が終わっていた。頭の中にある記憶の扉も引き出しも、施錠されたままのような2年が過ぎた。今になって、これはマズイと思い始めた。健忘症や認知症という項目を調べ、セルフチェクや予防法も試してみた。漫然と聞き流すのではなく、ちゃんと聞こう、ちゃんと覚えよう、と意識もしてみた。

 気をつけて覚えようとした事はまだまだ大丈夫、手帳に書いた事も、人との約束も忘れはしないのだが、ふと緊張がゆるんだ時、まるで失語症にでもなったかと思うほど、「あれ」「それ」「ほら」しか出てこない。

 年齢もあるのかもしれない。だがきっとこれは、頭の使い方が悪くなっているのだと思う、家の中を歩き回っても、犬との散歩を欠かさなくても、しゃんと身体を使えていなければ、たいした運動量にはならない。ちょっと走ってもゼイゼイしてしまう軟弱な身体に変わりない。頭もそうだろう、緊張と弛緩の緩急よろしく、セルフコントロールが出来ていなければ、ちょいと仕事をしようが、ちょこちょこ書きものをしようが、引き出しも扉も開けずに、新たな知識も入れず、熟考もせずに、済んでしまう。

 昨日は、ばったり会った人の名前が出てこなくて苦労した。小島さんの下の名前と、カズオさんの名字は今も思い出せない。大丈夫か私。2年分の怠慢をなんとか取り戻さなければ、運動不足のままの頭になりそうだ。すごく辛いことがあった時、忘れてしまえたらどんなにいいだろう、と思った同じ頭で、忘れない方法を模索する日々である。


天使の声

  1. 2013/05/08(水) 09:00:00|
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 捨てられた仔猫が保護される。まだ目も開かない小さな命が段ボール箱の中で団子になりながらぴいぴい鳴いて、いや泣いている。交番に届けられる仔たちもいる。動物管理センターに保護を依頼する電話がかかることもある。すでに力尽きた仔もいれば、カラスにでもつつかれたのか傷だらけの仔もいる。

天使の声_86

 一腹、5頭ないし6頭。哺乳ボランティアは一頭一頭、順番にわずか数CCのミルクを慎重に飲ませていく。肛門を刺激して排尿排便をさせ、夜間も保温とミルクを繰り返す。母猫ならいっぺんに済ませてしまう授乳を、人の手でするには大変な時間と根気と労力がいる。誰かが拾ってくれるだろうと安易に段ボールに放り込んだ人たちは、そしてその箱にガムテープまでした人たちは今、何を思っているのだろう。

 鳥には刷り込みと言われる習性があって、目が開いて一番先に見えたものを親だと認識する。仔猫はどうなのだろう。お世話をしてくれるボラさんを親だと思うのだろうか、それとも、ボラさんの家で一緒に面倒を見てくれる先住猫や犬を親だと思うのだろうか。

天使の声_192

 小さな命たちは、沢山の喜びと安らぎを私たちに分けてくれる。ミルクを飲んでぽっこり膨れたおなか。体中ぐちゃぐちゃになりながら食べる離乳食。小さな肉球。たくましく育つその姿。捨てられた命がキラキラと輝いてゆく。

天使の声_326

 けれども、すくすく育つ仔猫がいる一方で、わずか数週間で星になる仔もいる。どんなに気をつけていても助けられない感染症もある。手をかけ時間も労力も惜しまずに、愛情を注いできた仔猫を奪われる悲しみ。里親さんに託すその日まで、育ててやれなかった悔しさ。仔猫のいなくなった部屋で非力に落ち込むその心の痛み、それらは想像に余りあって、慰めの言葉も見つからない。が、私はこう思う。

天使の声_210

 開いたばかりのその目で、仔猫が生れて初めて見たのは、その仔を捨てた人ではなく抱きしめてくれたボラさんだ。旅立って逝った仔が最後の最後まで聞いた声は、ボラさんの呼ぶ声だ。仔猫が天上で聞く、優しい天使の声ときっと同じに違いない。



梅ちゃん

  1. 2013/05/01(水) 09:00:00|
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 動物管理センターに立ち寄ったある日のこと、梅ちゃんと呼ばれている盲目の犬が譲渡されたと聞いた。センターで犬の散歩や犬舎のお掃除をしてくれているボランティアさんと、喜びあいながらどちらからともなく涙声になった。当然のことながら、どんな人があの梅ちゃんの飼い主になってくれたのだろう、と私も尋ねる。「ナシラちゃんのおかぁさん」と聞いてまた胸が熱くなった。

 ナシラは貰い手がつかず、長い事センターにいた老柴犬「銀ちゃん」のことだ。その銀ちゃんを引き取って下さったのは、学校の先生をなさっているAさんだ。個人情報の問題もあって、譲渡会のお手伝いやお世話をする私たちも、犬猫を引き取って下さった方の背景については知らされない。が、センター宛てに届く犬猫の幸せな近況報告は住所等を伏せた状態で読ませていただいたり、中には掲示板に写真と共に貼られるケースもある。

 「ナシラちゃんのおかぁさん」のことを知ったのは、震災から丸2年の慰霊祭の日の事だ。学校に勤務するAさんは津波を免れたが、海岸に近い御自宅は波にのまれ、ご主人と愛犬スピカは亡くなったのだという。スピカによく似た老犬「銀」をお世話したいと申し出てくださったのがAさんだ。しかしいかんせん老犬。まもなく、Aさんと獣医師の手厚い看護を受け「銀」は天寿を全うした。もっと長生きさせてあげられなくてごめんなさいと書かれた葉書が慰霊祭の日に届いた。短い文章から、愛情の深さと悲しみの大きさが伝わって来た。

 愛する家族を失うほど辛い事はない。人はもちろん、それが犬であっても猫であっても、家族なのだから。Aさんはあの大きな悲しみの震災のあと、またすぐに見送ることになるかもしれない老犬に何故手を差し伸べたのだろう。そして今度もまた決して若くない「梅ちゃん」だ。

 「スピカ」も「ナシラ」も星座の名前だ。Aさんは理科の先生なのだろうか。それともご主人との思い出の星なのだろうか。梅ちゃんにはどんな名前がついたのだろう。願わくば本当に星になったスピカとナシラよ、Aさんと梅ちゃんを守っておくれ。梅ちゃんとAさんの日々の平安と健康とを。



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